衝動買いをしてしまいました。
ロケや番組で用意された衣装は、希望すれば撮影終了後買い取る事ができる物もあるのです。
少し値引きしてもらえるということもあって、僕もたまに気に入った物があれば利用させて頂いております。
しかし僕は本来、服を衝動買いなどあまりしない方です。
それでなくてもうちのクローゼットには既に溢れんばかりに洋服が詰まっているのですから。
今日買ってしまったのは厳密に言えば僕の服ではありません。
撮影前、局の廊下でたまたま、ジョットとすれ違いました。
世間的にも業界的にもやや親しい友人程度の関係を装っているので、僕は軽く挨拶をしただけで通り過ぎようとしました。
すると彼はすれ違い様、くるりと振り返って言いました。
「そのジャケット、カッコイイね」
それを僕は、このジャケットが気に入ったから欲しいのだと解釈しました。
前にも似たような事がありましたし。万一やっぱり要らないと言われても、僕が着ればいいですしね。
既に大量の服がクローゼットには押し込められているのだから、今更一着くらい増えたところで代わり映えしないでしょう。
今日彼が帰ってきたら早速聞いてみなくては。
「あー、そのジャケットー」
「欲しいなら差し上げますよ」
「え?俺は要らないよ?」
「そうですか?でも昼間、カッコイイと言っていらしたじゃないですか?」
「あ、それはね…」
ちょっと目を細めて照れたようにはにかんで笑うジョット。
「それを着たお前がカッコイイって言ったの!」
…今更一着くらい服が増えても問題ないでしょう。
とりあえず、このジャケットは普段よく着る服のローテーションの最前線で活躍する事間違いなしですね。
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