33.向こう側(ラグベル)‏‏‏‏‏‏‏‏‏‏‏‏‏

ベルナルドがマジソン刑務所から戻ってきてすぐ、無事な彼の姿を見て心底安堵したのはまぎれもない事実だった。








「お元気そうで良かったです。ウエストサイズとか一回りくらい変わっちゃってるかと思いましたが」

「今回はショートスティだったからね。ジャンのおかげで痩せる間もなく出られた」

「でも胃は荒れてるみたいですね。……口内炎、できてますよ」

「心労は絶えないよ。まだ何一つ解決していない。ボスも不在のままだ」

「デル・サルト氏が?」

「完全に消息不明だ。探してはいるが手がかりすら……、と。しまったな。これはまだ上層部以外には秘密だった」

「おや、困りましたね。僕、聞いちゃいましたよ」

「これで外部にこの件が漏れたら、裏切り者はお前という事になるな」

「なりますねえ。どうします?オルトラーニ筆頭幹部としては?」

「そうだな。お前を拷問にかけて腐った繋がりを全てあぶり出すとするか」

「わああ、それはドキドキ しますね。拷問は、貴方自ら?」

「必要とあれば。いっそ殺してくれと頼みたくなる程度にはいたぶってやるよ……って、なんでそんなに嬉しそうなんだ?」

「だってそれって貴方が、こうされるくらいなら殺された方がマシと思っている事を僕にするんでしょう?一体どんな事をされるんでしょうね?何だか倒錯的ですごく興奮します」

「……うるさい」

「あの~、ここって、照れるトコですかねえ?おかしな人だ」

「お前には言われたくない!」

「でもそんな所も好きですよ?」

「黙らないとこれ以上触らせてやらないぞ」

「あー、今この状況でそれはまさに拷問です。許して下さい。何でもしますから」

「何でも?」

「ええ、何でも」

「じゃあ……ココ、」

「手で?それとも舌で?どっちがいいですか、ベルナルド?」

「……舐めろ」

「はい」








もし、彼が昔みたいに壊れてしまっていたら。

今度こそ誰にも見つからないよ うに閉じ込めて、永久に僕だけのものにできたかもしれない。
そんな、叶ってはいけない願望が脳裏を掠める。




そして僕は、以前と変わらないベルナルドに心底安堵した。